気候が良く過ごしやすい10月は、子どもたちが戸外で思いきり活動できる絶好の季節です。
2歳児の10月の月案を作成するにあたり、どのような点に注意すればよいか悩んでいる保育士の方も多いのではないでしょうか。
子どもの成長を促すためには、日々の子どもの姿を丁寧に見つめ、適切なねらいを設定することが欠かせません。
この記事では、2歳児の10月の月案作成で重要となる養護と教育の両面から、健康で安全な園生活を送るためのポイントを解説します。
情緒の安定を図りながら、排泄の自立をサポートする配慮や、人間関係の広がり、そして言葉や表現の発達を促す環境構成のヒントもご紹介します。
また、食育活動のアイデアから、円滑な家庭との連携や保護者支援、職員との連携の重要性まで、最後に評価反省の視点も含めて網羅的に解説していきます。
この記事で分かること
- 10月の2歳児に合ったねらいの設定方法
- 養護と教育(5領域)の具体的な活動内容
- 家庭や職員との連携で押さえるべきポイント
- 次月につながる評価と反省の書き方
2歳児の10月月案で押さえるべき基本項目

- 今月のねらいと予測される子どもの姿
- 養護の基本と情緒の安定への関わり
- 健康な生活と排泄の自立に向けて
- 人間関係を育むための言葉と表現
- 遊びが広がる環境構成と保育者の配慮
今月のねらいと予測される子どもの姿
10月の月案を作成する上で、まず初めに設定するのが「ねらい」です。この時期の2歳児は、心身ともに大きく成長し、「自分でやりたい」という自我がより一層強くなるのが特徴です。そのため、基本的な生活習慣の自立や、秋の自然に触れて興味や関心を広げることなどを大きなねらいとして設定するのが一般的です。
具体的には、以下のような子どもの姿が予測されます。
着替えや食事、片付けなどを保育者の手助けなしに自分で挑戦しようとする姿が見られます。もちろん、初めから完璧にできるわけではなく、うまくいかずに癇癪を起したり、逆に甘えて「やって」と求めることもあるでしょう。また、戸外活動では、どんぐりや落ち葉など秋の自然物に夢中になり、発見を喜んだり、友だちと見せ合ったりする姿も多く見られるようになります。言葉の発達も著しく、簡単な言葉のやり取りを通じて、友だちとの関わりを楽しもうとします。
ポイント:子どもの「やってみたい」気持ちを尊重する
養護の基本と情緒の安定への関わり
養護における10月の重要なポイントは、季節の変わり目に対応した健康管理と、自我の芽生えに寄り添った情緒の安定です。日中と朝晩の寒暖差が大きくなるため、子どもたちが快適に過ごせるよう、衣服の調節や室温管理に気を配る必要があります。
また、自我が強くなる2歳児は、自分の思い通りにならないと気持ちが不安定になりがちです。ここでは、保育者が子どもの気持ちをしっかりと受け止めることが重要になります。
「いや」「自分でする」といった自己主張は、成長の証です。まずは「そうなんだね、〇〇したかったんだね」と子どもの気持ちを言葉にして受け止め、共感する姿勢を見せることで、子どもは安心感を得て落ち着きを取り戻しやすくなりますよ。
健康な生活と排泄の自立に向けて
基本的な生活習慣の自立は、2歳児クラスの大きなテーマの一つです。特に排泄の自立は、個人差が大きいため、一人ひとりの発達段階に合わせた丁寧な関わりが求められます。
おむつからパンツへの移行を進めている子どもに対しては、失敗を恐れずに挑戦できる雰囲気作りが大切です。「おしっこ、出そうだね」「トイレに行ってみようか」とタイミングを見て声をかけ、成功したときには「パンツが濡れなくて気持ちいいね」と一緒に喜びを分かち合うことで、子どもの意欲を引き出します。逆に、遊びに夢中でトイレに行きたがらない子どもの気持ちも尊重し、無理強いは避けるべきです。
注意点:失敗を責めない
パンツを汚してしまっても、決して責めるような言動はせず、「大丈夫だよ、また今度頑張ろうね」と優しく声をかけ、子どもが安心して過ごせるように配慮することが重要です。保護者とも連携し、園と家庭で同じペースで進められるようにしましょう。
人間関係を育むための言葉と表現
2歳児の10月は、他児への関心が高まり、特定の友だちと一緒に遊ぶことを楽しむ姿が見られ始めます。しかし、まだ自分の気持ちをうまく言葉で伝えられないため、おもちゃの取り合いなどのトラブルも増える時期です。
保育者は、子ども同士のやり取りを注意深く見守り、必要に応じて仲立ちをします。例えば、「かして」「いいよ」「ありがとう」といった、友だちと関わる上で必要な言葉を、保育者が代弁したり、使い方を具体的に示したりすることで、子どもたちは少しずつ言葉でのコミュニケーションを学んでいきます。
言葉だけでなく、身体や制作物を通して自分を表現する楽しさを味わえるような活動を取り入れることも大切です。秋の自然物を活用した制作活動や、音楽に合わせたリズム遊び、簡単なごっこ遊びなどを通じて、子どもたちの豊かな表現力を引き出していきましょう。
活動例:どんぐりマラカス作り
遊びが広がる環境構成と保育者の配慮
子どもたちの自発的な遊びや学びを促すためには、環境構成が非常に重要です。10月は、室内と戸外の両方で秋らしい活動が楽しめるような工夫を凝らしましょう。
室内には、集めた落ち葉や木の実を自由に触って観察できるコーナーや、ハロウィンに向けた制作ができるコーナーを設けるのがおすすめです。また、子どもたちが落ち着いて好きな遊びに集中できるよう、ままごとコーナーや絵本コーナーなどを明確に区切る(ゾーニングする)ことも有効です。
保育者の配慮としては、子どもの「挑戦したい」という気持ちを後押しすることが挙げられます。例えば、少し難しいパズルや遊具に挑戦しようとしている子どもがいたら、すぐに手伝うのではなく、まずはじっくりと見守ります。
2歳児の10月月案における連携と安全

- 健康 安全のために徹底したいこと
- 家庭との連携と具体的な保護者支援
- 保育の質を高めるための職員との連携
- 秋の味覚を楽しむ食育の進め方
- 次月へ繋げる評価反省のポイント
- 充実した2歳児の10月月案のために
健康 安全のために徹底したいこと
過ごしやすい気候になり戸外活動が増える10月は、改めて安全管理の徹底が求められます。散歩に出かける前には、コースの安全確認や危険箇所のチェックを必ず行い、子どもたちにも交通ルールを分かりやすく伝えます。
散歩時の安全確認リスト
確認項目 | 具体的な内容 |
---|---|
出発前の確認 | 人数確認、子どもの健康状態、持ち物(救急セット、連絡用具)のチェック |
移動中の注意 | 保育者の配置、子どもから目を離さない、道路の横断方法の徹底 |
公園などでの注意 | 遊具の安全点検、危険な植物や虫がいないかの確認、誤飲の危険があるものはないか |
また、秋はアレルギーの原因となる植物(ブタクサなど)や、蜂などの虫もまだ活動している時期です。事前に危険な動植物について職員間で情報を共有し、子どもたちが安全に自然と触れ合えるよう配慮する必要があります。
家庭との連携と具体的な保護者支援
子どもの健やかな成長のためには、園と家庭が連携し、同じ方向を向いて関わっていくことが不可欠です。日々の連絡帳やおたより、送迎時の会話などを通じて、園での子どもの様子を具体的に伝え、家庭での様子も丁寧に伺うようにしましょう。
特に、排泄の自立や衣服の着脱など、生活習慣の獲得については、園と家庭の足並みが揃っていることが子どもの混乱を防ぎます。園での取り組みを伝え、「お家でも、お子さんが自分でやろうとする姿を見守ってあげてくださいね」といった具体的な声かけをすることで、保護者の協力を得やすくなります。
保護者の中には、子どもの発達について不安を感じている方もいらっしゃいます。園でのポジティブな姿(「今日、〇〇ちゃんがお友だちに優しくおもちゃを貸してあげられましたよ」など)を積極的に伝えることで、保護者の安心感に繋がり、信頼関係を築くことができます。
保育の質を高めるための職員との連携
クラス運営を円滑に進め、保育の質を担保するためには、職員間の密な情報共有と協力体制が欠かせません。クラス担任だけでなく、フリーの保育士や他のクラスの職員とも、子ども一人ひとりの情報(体調、発達状況、家庭環境など)を共有しておくことが重要です。
朝のミーティングや職員会議での情報共有はもちろんですが、日々の保育の中でも「〇〇ちゃん、今日は少し鼻水が出ているので注意して見ておきましょう」「△△くんが鉄棒に挑戦したがっているので、戸外活動の時に補助をお願いします」といった、リアルタイムでの声かけが非常に大切になります。これにより、どの職員でも一貫性のある対応が可能となり、子どもたちは安心して園生活を送ることができます。
秋の味覚を楽しむ食育の進め方
食育は、単に栄養を摂るだけでなく、食べ物への興味や感謝の気持ちを育む大切な活動です。10月は、さつまいもやきのこ、栗、柿など、秋の味覚が豊富な季節です。これらの旬の食材に触れる機会を積極的に設けましょう。
10月の食育活動アイデア
- さつまいも掘り(園の畑やプランターで):土に触れ、作物が育つ過程を知る良い機会になります。
- 野菜スタンプ:ピーマンやレンコンなど、秋野菜の断面を使ってスタンプ遊びを楽しみます。野菜の形に親しみを持つきっかけになります。
- きのこ観察:給食で使うきのこ(しめじ、えのきなど)を、調理前に子どもたちと一緒に観察します。匂いをかいだり、手で裂いたりする体験も良いでしょう。
また、食事のマナーについても少しずつ伝えていく時期です。食事の前の「いただきます」、後の「ごちそうさま」の挨拶の意味を伝えたり、正しい食具の持ち方を丁寧に教えたりすることで、楽しく食べるための基礎を育んでいきます。
次月へ繋げる評価反省のポイント
月案は、計画(Plan)を実行(Do)した後、必ず評価・反省(Check)を行い、次の計画(Action)に繋げることが重要です。月末には、設定した「ねらい」が達成できたか、子どもの姿や活動内容を振り返りましょう。
評価を行う際は、「できたか、できなかったか」という結果だけでなく、その過程に目を向けることが大切です。「衣服の着脱が一人でできるようになった」という結果だけでなく、「保育者の声かけによって、意欲的に挑戦する姿が見られた」といった子どもの内面的な成長や、それに対する保育者の援助が適切であったかを振り返ります。
自己評価の例
「秋の自然に触れる機会を多く設けたことで、子どもたちの発見や驚きに共感し、興味関心を深めることができた。一方で、ごっこ遊びへの展開が少なかったので、来月は集めた自然物を活用できるようなコーナー設定を工夫したい。」
充実した2歳児の10月月案のために
- 10月の2歳児は自我が強まり「自分でやりたい」という意欲が高まる
- ねらいは生活習慣の自立や秋の自然への関心を軸に設定する
- 予測される子どもの姿として着替えや片付けへの挑戦が見られる
- 養護の面では寒暖差に対応した健康管理が重要
- 自己主張が強い時期なので子どもの気持ちを受け止め情緒の安定を図る
- 排泄の自立は個人差が大きいため一人ひとりのペースに合わせる
- トイレトレーニングは失敗を責めず成功体験を積み重ねることが大切
- 人間関係では他児への関心が高まり簡単な言葉でのやり取りが始まる
- おもちゃの取り合いでは保育者が仲立ちとなり必要な言葉を伝える
- 表現活動では秋の自然物を使った制作やリズム遊びを取り入れる
- 環境構成では子どもが自発的に遊べるコーナー設定を工夫する
- 安全管理として散歩コースの事前確認や交通ルールの徹底を行う
- 家庭との連携を密にし園での取り組みや子どもの成長を具体的に伝える
- 職員間で子どもの情報を共有し一貫性のある保育を目指す
- 評価反省では結果だけでなく過程や保育者の援助が適切だったかを振り返る


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