9月に入り、夏の疲れが出やすい3歳児。3歳児 9月 月案の作成にお悩みの保育士さんも多いのではないでしょうか。今月は運動会などの行事も控え、子どもの姿は日々成長を見せます。月案では、季節の変わり目の健康管理や健康 安全への配慮はもちろん、生命の保持と情緒の安定を柱とする養護が重要です。
また、ねらいとして、人間関係の深まりや、言葉を使った表現、排泄の自立なども盛り込みたい時期です。適切な環境構成のもと、食育活動も取り入れつつ、子どもたちの発達を促す計画を立てる必要があります。
月末の評価反省を見据え、家庭との連携や保護者支援、さらには職員との連携まで、この記事では網羅的に解説します。
- 9月の3歳児に設定する「ねらい」の具体例
- 養護と教育(五領域)に基づいた活動内容
- 環境構成や保育者の配慮・援助のポイント
- 家庭や職員との連携、評価反省の書き方
3歳児 9月 月案のねらいと基本内容

- 月案のねらいと子どもの姿
- 生命の保持を基本とした養護
- 子どもの情緒の安定と配慮
- 健康な体作りと排泄の自立
- 人間関係を育む環境構成
- 経験を伝える言葉と表現
月案のねらいと子どもの姿
9月の3歳児クラスでは、夏の疲れが出やすい一方で、気候が良くなることで戸外活動への意欲が高まる時期です。また、運動会などの行事に向けて、クラス全体で取り組む活動も増えてきます。
この時期の「ねらい」としては、以下のような項目が挙げられます。
9月のねらい(例)
- 戸外でのびのびと身体を動かし、気持ち良さを味わう。
- 自分の意思で健康管理(衣類調整、手洗いなど)をしようとする。
- 運動会で他児と協力して競技に取り組む。
- 友だちとの関係を深め、一緒に遊ぶことを楽しむ。
- 秋の自然物に活用した遊びを楽しむ。
これらのねらいに基づき、子どもたちは日々様々な姿を見せてくれると予測されます。例えば、手の力がついてボールを上手に扱えるようになったり、アスレチック遊具を全身で楽しんだりする姿です。
また、運動会の練習では、最初はうまくいかずにトラブルになることもあるかもしれませんが、徐々に「がんばって」「こうやるんだよ」と声を掛け合い、協力する姿へと成長していくことが期待されます。
生命の保持を基本とした養護
9月の月案における「養護」は、季節の変わり目であることを強く意識し、子どもたちの健康を守る「生命の保持」が最優先事項となります。
具体的な内容としては、まず園生活のリズムに合わせて、子どもが自ら手洗いやうがいができるよう、保育者が確認しながら関わっていくことが大切です。また、気温の変化に合わせて、「暑いね」「少し涼しいね」と声をかけ、子ども自身が衣服の調整や汗の始末を意識できるよう促していきます。
さらに、3歳児は身の回りのことができるようになり、自分で脱いだ衣服を畳んだり、持ち物を所定の場所にしまったりすることにも挑戦する時期です。保育者はその意欲を認めつつ、必要に応じて援助し、自立に向けたサポートを行います。
夏の疲れに注意
9月は、夏の間に溜まった疲れが体調不良として現れやすい時期です。午睡の時間をしっかり確保したり、活動の合間に静かに休めるコーナーを設けたりするなど、適度な休息を取れるよう特に配慮する必要があります。
子どもの情緒の安定と配慮
養護のもう一つの柱である「情緒の安定」も、9月の月案では欠かせない視点です。運動会の練習や新しい活動が増える中で、子どもたちが安心してのびのびと過ごせる環境を整えることが求められます。
保育者として、子どもが話をしているときは、作業の手を止めて向き合い、遮らずに最後まで聞く姿勢が大切です。「話を聞いてもらえた」という安心感が、子どもの情緒の安定と、他者への信頼感を育みます。
また、運動会本番では、練習通りにいかないことやトラブルも予測されます。しかし、そのような場面こそ、子どもたちが自分たちで考え、協力して乗り越える体験を積むチャンスです。保育者はすぐには介入せず、子どもの力を信じて見守る姿勢も重要になります。
健康な体作りと排泄の自立
五領域の「健康」において、9月は気候が良くなるため、戸外での活動を存分に取り入れたい時期です。広い公園でサッカーや鬼ごっこを楽しんだり、アスレチック遊具に挑戦したりと、全身を使って遊ぶ楽しさを味わえるよう計画します。
また、前述の養護とも関連しますが、子どもが「外から帰ったら手を洗う」「暑いから服を脱ぐ」など、自分の意思で体調管理の行動を取れるようになることも、健康な生活を送る上での大切なねらいとなります。
排泄の自立に向けて
夏に布パンツへの移行が進んだクラスも多いでしょう。9月は、遊びに夢中になって失敗してしまうこともまだありますが、子どもが「おしっこが出そう」という感覚に自分で気づき、トイレに向かおうとする意欲を育てていく時期です。
排泄の自立には個人差が大きいため、焦りは禁物です。失敗した時も叱責せず、「次がんばろうね」と声をかけ、清潔で心地よい状態に戻すことを優先しましょう。保育者がおおらかに構えることが、子どもの安心感につながります。
人間関係を育む環境構成
3歳児の9月は、「人間関係」が大きく発展する時期でもあります。特定の仲の良い友だちができ、一緒に遊んだり会話したりすることそのものを楽しむ姿が見られます。
この時期の「環境構成」としては、こうした子ども同士の関わりを自然に促す工夫が求められます。例えば、運動会では「ボール運び」のように、他児と協力して行う競技を取り入れることで、「声をかけあう」「力を合わせる」といった経験を積むことができます。
また、秋の自然に触れる活動も、人間関係や環境への関わりを深めます。保育者は、あえて自然が多い道を選んで散歩に出かけ、「葉っぱの色が変わったね」などと声をかけることで、子どもたちの気付きをサポートします。園に帰ってから、拾ってきた葉っぱでスタンプ遊びに展開するなど、活動が連続するように計画することも有効です。
経験を伝える言葉と表現
五領域の「言葉」と「表現」に関しても、9月は多くの成長が見られます。語彙が増え、自分の気持ちや経験を、言葉をうまく使って相手に伝えようと試行錯誤する姿が見受けられます。
保育者は、子どもが話をしているときは安心して話せるように向き合い、言葉に詰まっても最後まで聞くよう配慮します。
「表現」活動としては、ひらがなに興味を持ち始める子もいるため、ひらがな表や画用紙、便箋などをコーナーに用意し、家族やお友だちに手紙を書くことを楽しむ環境を整えるのも良いでしょう。また、自然の中で見つけた草花を使った押し花や葉っぱスタンプなども、子どもたちの豊かな表現を引き出す活動となります。
9月におすすめの歌・手遊び・体操
活動の導入や気分転換に、季節の歌や体操を取り入れましょう。
分類 | 曲名・遊び名 |
---|---|
9月の歌 | とんぼのめgね / 虫の声 / 夕焼け小焼け |
9月の手遊び歌 | おおきなたいこ / のねずみ / おちゃらかほい |
9月の体操・ダンス | チェッチェッコリ / ジャンボリミッキー! / サンサン体操 |
3歳児 9月 月案の実践と連携のポイント

- 園生活における健康と安全
- 食材への関心を深める食育
- 家庭との連携と保護者支援
- 職員との連携と評価反省
- 総括:3歳児 9月 月案作成のコツ
園生活における健康と安全
9月の月案で最も重要な項目の一つが「健康・安全・衛生」です。季節の変わり目であるため、体調を崩す子が増えることを想定し、健康観察を普段以上に丁寧に行う必要があります。
散歩の際は、子どもが道端で何かを見つけて夢中になり、列から離れてしまうことも考えられます。安全な場所で立ち止まって観察するか、園に持ち帰ってからゆっくり観察するなど、交通安全への配慮を徹底します。
運動会練習時の安全管理
9月はまだ暑い日も多いため、運動会の練習は気温や湿度、子どもの顔色を考慮して実施する必要があります。こまめな水分補補給と休息の時間を計画的に設け、(参照:厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」)などの情報を参考に、熱中症対策に万全を期すことが推奨されます。
食材への関心を深める食育
「食育」に関しても、9月は取り組みやすいテーマが多い月です。3歳児になると箸を上手に使えるようになり、給食の時間が楽しみになる子も増えてきます。細かいものでも工夫して掴もうとする姿を認め、箸を使う意欲を育てましょう。
9月の食育活動例
行事食として、お月見に関連した活動を取り入れるのもおすすめです。例えば、お団子を作る活動(※安全に配慮し、粘土で代用するなども可)を通して、食べ物を作る楽しさを味わうことができます。
また、秋の食材であるキノコやイモ類などを給食で提供する際は、「これはキノコだよ」と紹介し、絵本や図鑑と関連付けながら食材への関心を深めていくことも大切です。
家庭との連携と保護者支援
充実した保育を行うためには、「家庭との連携」および「保護者支援」が不可欠です。9月は運動会という大きな行事があるため、その様子を保護者に伝える絶好の機会です。
当日の様子をドキュメンテーション(写真付きの記録)にしたり、動画で共有したりすることで、園での子どもの頑張りや成長を知ってもらうことができます。また、日常の送迎時にも、園で誰と仲良く遊んでいるか、どんな遊びに夢中になっているかを具体的に共有し、保護者の安心につなげます。
職員との連携と評価反省
保育の質を高めるためには、「職員との連携」と、月ごとの「評価反省(自己評価)」が欠かせません。
9月は疲れやすい時期であるため、職員間での健康観察の共有が特に重要です。「〇〇ちゃんが朝から少し顔色が悪い」といった情報をこまめに声をかけ合い、クラス担任以外も注意して見守れる体制を整えます。また、運動会に向けては、全体の流れや各種目のねらい、役割分担、準備物について事前にしっかり確認しておく必要があります。
評価反省の視点
月末の自己評価では、まず8月(前月)を振り返ります。「プール遊びや外遊びで存分に季節を感じられたか」「熱中症対策は園全体で共通認識を持って徹底できていたか」などを確認します。
その上で、9月の保育を振り返り、「運動会に向けて子どもたちの期待感を高めるような導入ができたか」「夏の疲れに配慮し、ゆったりと過ごせる時間も確保できていたか」などを評価し、次月の計画に活かしていきます。
総括:3歳児 9月 月案作成のコツ
解説してきたポイントをまとめます。3歳児 9月 月案の作成において、以下の点を意識することが大切です。
- 9月は夏の疲れが出やすい時期と認識する
- 季節の変わり目の健康管理に留意する
- 運動会に向けた期待感を育む
- 戸外でのびのび身体を動かす機会を設ける
- 養護は生命の保持と情緒の安定が柱
- 手洗いや衣類調整など自立を促す
- 子どもの話を遮らず受容的に関わる
- 排泄の自立を焦らず見守る
- 簡単なルールのある遊びを取り入れる
- 友だちと協力する楽しさを味わえる活動を計画する
- 秋の自然に触れる環境構成を工夫する
- 言葉や製作での表現活動を充実させる
- 健康と安全の配慮を徹底する
- 家庭や職員との情報連携を密にする
これらが3歳児 9月 月案作成のコツです。


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