過ごしやすい気候となる10月、3歳児の10月の月案作成にお悩みの保育士さんも多いのではないでしょうか。運動会などの行事を終え、子どもたちの成長に合わせてどのようなねらいを設定すべきか、迷う時期かもしれません。
月案作成では、養護の視点である生命の保持や情緒の安定を土台としながら、健康、人間関係、言葉、表現といった五領域の発達を促す環境構成が求められます。また、予測される子どもの姿を踏まえ、排泄の自立や食育に関する具体的な配慮も必要です。
さらに、日々の健康 安全管理はもちろんのこと、家庭との連携や保護者支援、職員との連携をどう計画に落とし込むか、そして月末の評価反省の視点も重要になります。この記事では、3歳児クラスの10月の月案作成に必要な要素を網羅的に解説します。
- 10月の3歳児に最適な「ねらい」の具体例
- 養護と教育(五領域)における環境構成と配慮
- 家庭や職員との連携を円滑に進めるポイント
- 月案作成に役立つ評価反省の視点
3歳児10月月案のねらいと子どもの姿

- 10月のねらいと活動内容
- 予測される10月の子どもの姿
- 人間関係と言葉の育ち
- 豊かな感性を育む表現活動
- 養護における情緒の安定
10月のねらいと活動内容
10月の3歳児クラスでは、気候が安定し戸外活動が充実する時期に合わせた「ねらい」の設定が重要です。子どもたちが秋の自然に触れ、五感を使いながらのびのびと遊べるような活動を計画の中心に据えましょう。
主なねらいとしては、以下のような項目が挙げられます。
10月のねらい(例)
- 秋の自然に触れ、色や形、匂いなどに興味を持つ
- 心地よい気候の中で、全身を使って遊ぶことを楽しむ
- 身の回りのことを自分でやろうとする意欲を育む
- ごっこ遊びなどを通して、友だちとの関わりを楽しむ
これらのねらいを達成するため、具体的な活動内容として「どんぐり拾いや落ち葉を使った製作」「運動遊び(かけっこ、ボール遊び)」「ハロウィンに向けた準備」などを取り入れると良いでしょう。
特に運動会を経験した園では、そこで培った自信や意欲を次の活動に繋げていくことが大切です。
予測される10月の子どもの姿
10月頃の3歳児は、言葉の発達が著しく、自己主張が活発になる一方で、友だちとの関わりも増えてくる時期です。運動機能も向上し、より複雑な動きができるようになります。
具体的には、以下のような姿が予測されます。
- 「なんで?」「どうして?」といった質問が増え、知的好奇心が高まる。
- 友だちと同じ遊びを好むようになり、簡単なルールのある遊びを楽しみ始める。
- 「自分でやる!」という気持ちが強くなり、着替えや片付けに挑戦しようとする。
- 秋の自然物(どんぐり、落ち葉など)に興味を示し、集めたり見立てたりして遊ぶ。
一方で、友だちとの関わりが増える分、玩具の取り合いや意見のぶつかり合いといったトラブルも増える時期です。保育者は、子どもたちの「自分で解決したい」という気持ちを見守りつつ、必要に応じて仲立ちする絶妙なバランス感覚が求められます。
人間関係と言葉の育ち
この時期は、「人間関係」と「言葉」の領域が密接に関連しながら発達していきます。3歳児は、他者の存在を強く意識し始め、保育者や友だちとのコミュニケーションを通して社会性を学んでいく大切な時期です。
ごっこ遊びや集団遊びの中で、子どもたちは自分の思いを言葉で伝えようと試行錯誤します。「貸して」「いいよ」「あとで」といったやり取りを経験する中で、相手の気持ちを想像する力や、順番を守るといった簡単なルールを理解していきます。
言葉の発達における注意点
言葉の発達には個人差が大きいため、うまく言葉で表現できずに行動に出てしまう子もいます。保育者は、子どもの表情や態度から気持ちを汲み取り、「~したかったんだね」と言葉で代弁してあげることで、子どもが「伝わった」という安心感を持てるよう援助することが重要です。
また、絵本の読み聞かせの時間を充実させ、豊かな言葉の世界に触れる機会を増やすことも、言葉の育ちを促す上で非常に効果的です。
豊かな感性を育む表現活動
秋は、豊かな自然素材に恵まれ、「表現」活動を展開するのに最適な季節です。10月は、子どもたちが感じたことやイメージしたことを、自分なりの方法で表現する楽しさを味わえるような活動を計画しましょう。
具体的には、散歩で見つけた落ち葉やどんぐりを使った製作活動が挙げられます。葉っぱを貼り絵にしたり、どんぐりに顔を描いたりすることで、子どもたちは自然物の色や形、手触りを楽しみながら創造力を発揮します。
ハロウィン行事を取り入れる園も多いですね。カボチャのお面を作ったり、簡単な仮装を楽しんだりすることも、非日常的な体験として子どもたちの豊かな感性を刺激します。
大切なのは、上手下手で評価するのではなく、子どもが夢中になって取り組むプロセスそのものを認め、共感することです。「きれいな色だね」「面白い形ができたね」といった声かけが、子どもの表現意欲をさらに高めます。
養護における情緒の安定
情緒の安定は、3歳児が園生活を安心して送り、あらゆる活動に意欲的に取り組むための土台となります。「養護」の観点から、子どもたちが「自分は受け入れられている」と感じられる関わりを意識することが不可欠です。
3歳児は、できることが増える一方で、甘えたい気持ちと自立したい気持ちの間で揺れ動くことがあります。保育者は、子どもが助けを求めてきた時には十分に応え、自分で挑戦しようとするときは見守るなど、一人ひとりの心の状態に合わせた柔軟な対応が求められます。
スキンシップの重要性
言葉でのコミュニケーションが増える時期ですが、まだまだスキンシップによる安心感も重要です。登園時や活動の合間に、ぎゅっと抱きしめたり、頭を撫でたりといった温かい触れ合いを通して、信頼関係を築いていきましょう。
また、生活の流れ(ルーティン)を一定に保つことも、見通しを持って行動できる安心感に繋がり、情緒の安定に寄与します。
3歳児10月月案で重要な配慮事項

- 生命の保持と環境構成の工夫
- 健康と排泄における配慮
- 食育と健康安全のポイント
- 家庭との連携と保護者支援
- 職員との連携と評価反省
- 充実した3歳児10月月案の総括
生命の保持と環境構成の工夫
生命の保持は、保育における最も重要な基盤です。10月は季節の変わり目であり、朝晩と日中の寒暖差が大きくなるため、子どもの体調管理に細心の注意を払う必要があります。
具体的には、以下のような「環境構成」の工夫が求められます。
- 衣服の調節の呼びかけ: 自分で着脱しやすい衣服を用意してもらうよう家庭に依頼し、暑さ寒さに応じて子ども自身が調節しようとする意欲を育てます。
- 室内の温度・湿度の管理: 快適な室温を保ち、適度な換気を行って空気を清潔に保ちます。
- 休息スペースの確保: 活動的に遊んだ後、ゆったりと休める静かなコーナーを設けることも、子どもの体調を維持する上で大切です。
保育者は、子どもの顔色や活気、汗のかき方などを常に観察し、個々の健康状態を把握することが求められます。
健康と排泄における配慮
10月は、3歳児の「健康」な生活リズムを確立し、「排泄」の自立を促す上で重要な時期です。運動会などの大きな行事を終え、生活が安定してくるこの時期に、基本的な生活習慣の定着を図りましょう。
排泄の自立については、個人差が非常に大きいため、焦らず一人ひとりのペースに合わせた配慮が必要です。トイレトレーニングが完了していない子も、失敗を責めずに「次はトイレでしてみようね」と前向きな声かけを続けることが大切です。自分でズボンやパンツを着脱できた時には、大いに褒めて自信に繋げましょう。
健康管理のポイント
手洗い・うがいの習慣化も重要です。秋から冬にかけては感染症が流行しやすくなるため、外遊びの後や食事の前など、正しい手洗いの方法を丁寧に伝え、習慣となるよう促します。
食育と健康安全のポイント
秋は「食育」を推進する絶好の機会です。サツマイモやキノコ、果物など、秋の味覚が豊富なため、子どもたちが食べ物への興味・関心を深められるよう働きかけましょう。
例えば、芋掘り遠足(可能な場合)や、給食で旬の食材に触れ、「これはサツマイモだね」と話しかけることで、食べ物と季節を結びつけて理解することができます。箸の練習を始める園もあるかもしれませんが、まずはスプーンやフォークを正しく持ち、楽しく食べることが最優先です。
健康安全管理の徹底
「健康安全」の面では、戸外活動でのケガに注意が必要です。行動範囲が広がり、活発に動くようになるため、遊具の安全点検や、散歩時の交通ルールの確認は徹底して行いましょう。また、どんぐりなどの小さな自然物を口に入れたり、鼻や耳に入れたりしないよう、常に見守りが必要です。
家庭との連携と保護者支援
子どもの健やかな成長のためには、「家庭との連携」が不可欠です。園での子どもの様子を積極的に伝え、家庭での様子を共有してもらうことで、一貫したサポートが可能になります。
10月は、運動会を終えた後の子どもの成長した姿を具体的に伝える良い機会です。「お友だちと協力できるようになりました」「最後まで頑張りきりました」といったポジティブなフィードバックは、保護者の喜びや育児への自信に繋がります。
また、保護者支援の観点からは、季節の変わり目の体調管理や、感染症予防に関する情報提供(おたより等)が有効です。子どもの発達に関する悩み(言葉の遅れ、友だちとのトラブルなど)が寄せられた場合は、傾聴の姿勢で丁寧に受け止め、園での様子を伝えながら一緒に考えていく姿勢が求められます。
職員との連携と評価反省
質の高い保育を実践するためには、「職員との連携」が鍵となります。クラス担任一人で抱え込まず、他の保育士や看護師、栄養士など、園全体のチームで情報を共有することが重要です。
特に配慮が必要な子どもの情報や、クラス全体の活動のねらいについては、日々のミーティングで共通理解を図りましょう。これにより、どの職員が対応しても一貫性のある関わりが可能になります。
そして、月末には必ず評価反省を行います。設定した「ねらい」が適切だったか、子どもの姿から見て活動内容はどうだったか、保育者の援助は十分だったかを振り返ります。この評価反省こそが、次の月(11月)の月案をより良いものにするための最も重要なプロセスです。
充実した3歳児10月月案の総括
10月の3歳児クラスの月案作成における重要ポイントをまとめました。これらの要素をバランス良く計画に盛り込むことで、子どもたちの充実した園生活を支えましょう。
- 10月は気候が良く戸外活動に適した時期
- ねらいは秋の自然や全身を使った遊びを中心に設定
- 子どもの姿として言葉の発達と自己主張の活発化を予測
- 人間関係はごっこ遊びや集団遊びで育まれる
- 言葉の育ちには絵本や保育者の代弁が効果的
- 表現活動では自然素材を活用しプロセスを重視
- 養護の基本は情緒の安定と受容的な関わり
- 生命の保持のため寒暖差に対応した衣服調節が必要
- 環境構成は休息スペースの確保も忘れずに
- 健康面では手洗いやうがいの習慣化を促す
- 排泄の自立は個人差を尊重し焦らない配慮を
- 食育は秋の味覚に触れる機会を設ける
- 健康安全管理として戸外でのケガや誤飲に注意
- 家庭との連携では運動会後の成長を具体的に共有
- 保護者支援として感染症予防の情報提供も行う
- 職員との連携で情報共有と共通理解を図る
- 評価反省は次月の計画のために不可欠


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