保育の仕事では、「指導計画」や「指導案」「個人記録」など、日々保育をする上で様々な書類を作成していると思います。
その中で「個人記録」は、子ども1人ひとりの成長を記録し、どのような援助が必要なのか、ねらいをたて毎月作成している書類です。
子どもの発達は個人差が大きく、作成する中でどのようなねらいを立てるか、悩むこともあると思います。
1歳児|個人記録のねらいでのポイント
まず、1歳児はどのような発達をしているのか振り返ってみます。
- 歩行に慣れ、安定してくる
- 1人歩きが出来るようになる
- 指先を使い、つまむ・めくる・物の出し入れをするなど、様々な操作ができる
- 自分でやりたいという欲求が増えてくる
- 片言や一語文を話し、だんだん二語文が言えるようになる
- 言葉にできない時は、指さしや身振りなど、行動で気持ちを伝える
- 友達や周囲の人に興味を持ち始める
- 子ども同士の関わりが増え、トラブルになることもある
1歳になると自分で出来ることが少しずつ増えてきます。
自分で「やってみたい」という気持ちが芽生える時期です。
もちろん子どもによって成長過程は異なります。
1歳児|個人記録の書き方は?みるみる上手になる方法を解説
1歳児の個人記録の書き方では、こちらのことを心掛けましょう。
個人記録が書きやすくなりますよ。
- 子どもの出来たことをメモに残す
- 日々の日誌で印象に残った出来事を記入する
- 『健康・人間関係・環境・言葉・表現』この5領域を意識して記入する
書き方のポイント①日々の記録を残しておく
子どもの出来たことをメモに残すことで、個人記録はかなり書きやすくなります。
子どもは日々出来ることが増えていきます。
その瞬間を頭の中で覚えていようと思っていても、新しい出来事が更新されていき、忘れてしまいます。
そのために活用できるのが『メモに残すこと』です。
保育をしながらメモをとるのは状況によって難しいと思います。
しかし、休憩時間を利用して箇条書きでも良いので書いておくと、個人記録を書く際に活躍しますよ。
書き方のポイント②日誌にも記録を書いておく
日誌にも記録を書いておくと、見返すことが出来るので良いです。
つい忘れがちになるので、しっかり書いておきましょう!
書き方のポイント③【保育所保育指針】に書かれている『健康・人間関係・環境・言葉・表現』を意識する
【保育所保育指針】に書かれている『健康・人間関係・環境・言葉・表現』を意識することは、1歳児の個人記録で大切です。
こちらの5領域に子どもの様子を当てはめると、まとめやすくなります。
1歳児|個人記録の例文-1月-
ではここからは、1歳児の個人記録の例文で、月ごとに要点をまとめていきます。
低月齢・高月齢・共通で振り分けてみましたが、子どもは様々な姿を見せてくれます。
その子に合わせた文章で書いていきましょう!
子どもの姿:低月齢、高月齢
子どもの姿は、前月の様子を記入していきます。
【低月齢:1歳10ヶ月~2歳3ヶ月】
- 保育者に援助を得ながら衣服の着脱に挑戦をする
- スプーンやフォークを自ら持ち、自分で食べようとする
- 保育者が話しかけると動作で示す、または単語で答えようとする
【高月齢:2歳4ヶ月~2歳9ヶ月】
- 自分で衣服の着脱に取り組もうとする
- おむつ替えの時に便座に座ってみる児がいる
共通して書ける内容としては、こちらです。
- 肌寒い中でも外で元気に体を動かす姿が見られる
- 落ち葉を使った自然遊びを楽しむ
- 友達と遊ぶ中で玩具の取り合いなどの時に、自分の思い通りにならず時に手が出てしまう
- 水に触れるのを嫌がり、手を洗おうとしない子どもがいる
ねらい:低月齢、高月齢
前月の子どもの姿を踏まえて、次のステップを「ねらい」としてたてると考えやすいです。
上記の書いた内容から考えて、ねらいを書いていきます。
【低月齢】
- 靴下の着脱など、自分で出来そうな着脱を援助なしで取り組んでみる
- 最後まで自分で食具をもち、食べようとする
- 話せる言葉を増やしていく
【高月齢】
- 自分で着脱が出来るところは挑戦する
- 排泄したと感じたら「おしっこ出た」と保育者に伝える
【共通】
- 正月遊びを楽しむ
- 霜柱や氷、雪など冬の自然物に触れる
- 友達と遊ぶ際に「貸して」「どうぞ」と動作や言葉で伝え、やりとりを楽しむ
- 保育者に見守られながら、進んで手を洗う
環境構成と保育者の配慮:低月齢・高月齢
考えたねらいを達成できるようにするために、必要な環境や配慮を書いていきます。
【低月齢】
- 子ども同士がぶつからないようにスペースを広げ、1人ひとりが着脱しやすいようにする
- 自ら進んで食べようとする姿を見守り、「1人で上手に食べられたね」と出来たことを共有する
- 絵本の読み聞かせや、散歩や活動時に子どもが興味を持っていることを代弁し、言葉に触れる機会を増やす
【高月齢】
- 着脱の様子を見守り、出来た時は褒めることで達成感を味わえるようにする
- 個々の尿意間隔を把握し、時間になったら尋ねてみる
- おむつに出ていなかったらトイレに促してみる
【共通】
- 福笑いや絵カードでかるた遊びなど、正月にちなんだ遊びを用意する
- 冬の自然物に触れる際「冷たいね」「溶けて水になっていくね」など、感想を言葉で表現し、自然物に触れることを楽しめるようにする
- 保育者が間に入り、やりとりが出来るように「貸して」「どうぞ」など、言葉で代弁して伝えたり、動作を見せる
- 「手についているバイ菌をやっつけるために手を洗おうね」など、手を洗うことの必要性を伝えていく
1歳児|個人記録の例文-2月-
子どもの姿:低月齢、高月齢
前月の様子を記入するので、1月の様子を書きます。
【低月齢:1歳11ヶ月~2歳4ヶ月】
- ズボンの着脱を自分で率先して行うようになる
- 友達の食べている姿を見て、同じものを食べたり、食事を一緒にとることを楽しんでいる
- 保育者や友達と関わる姿が増え、言葉や動作を真似る
【高月齢:2歳5ヶ月~2歳10ヶ月】
- ほぼ自分で着替えられるようになり、保育者の真似をして衣服をたたもうとする
- 排泄感覚が少しずつわかるようになり、トイレに自ら行こうとする子どももいれば、トイレに行きたがらない子どももいる
【共通】
- 指先を使った遊びに取り組む姿が見られる
- 寒さから鼻水が出る子がいる。自分で気づいて拭く子もいれば、そのまま垂らしたままの子もいる
- ごっこ遊びなど、友達と一緒に遊ぶ姿が増えてくる
ねらい:低月齢、高月齢
【低月齢】
- 肌着や上の服の着脱も自分で出来るようにする
- 給食の量が少なくなってきたら、自分で寄せ集めてみる
- 保育者や友達と簡単な言葉でやりとりを楽しむ
【高月齢】
- 衣類の着脱以外に、身支度を自分で取り組む
- 便座に座ることに慣れる
【共通】
- お絵描きやシール貼りなど、指先を使って遊ぶ
- ティッシュを使って自分で鼻水を拭く
- 簡単なルールのある遊びを楽しむ
環境構成と保育者の配慮:低月齢・高月齢
【低月齢】
- 必要な時は援助をし、出来たことへの達成感を味わえるようにする
- 最初は保育者が寄せ集めをし、見本を見せる
- 子ども自身が挑戦したときは「あつまれ出来ているね」と取り組んでいる姿を認める
- 言葉で自分の思いや見ている物を表現できたら共感し、言葉に出来たことを褒めて自信に繋げられるようにする
【高月齢】
- 意欲的に身支度に取り組めるように、着替えた衣服を袋に入れてもらうなど
出来そうなことを子どもに伝え、取り組めるような環境を作る - おむつ替えの時や、子どもが「トイレ行きたい」と言った時は、トイレに誘導し、まずは便座に座ることに慣れてもらう
- トイレに行くのが嫌な子には無理には誘導せず、子どものタイミングを待つ
【共通】
- お絵描きやシール遊びなどの卓上遊びの時間を設け、指先を使った遊びを集中できる環境を作る
- ティッシュを子どもが届く場所に置き、鼻水が出ていたら声をかけ、鼻水の拭き方やかみ方を伝え、子どもが自分で拭こうと思えるように援助をしていく
- まねっこゲームや、ボール集めゲームなど、子どもが理解しやすいゲームを通してルールのあるゲームを取り入れる
1歳児|個人記録の例文-3月-
子どもの姿:低月齢、高月齢
ここでは2月の様子を書きます。
【低月齢:2歳0ヶ月~2歳5ヶ月】
- 保育者に援助してもらいながら着替えを進んで取り組んでいる
- 自分で最後まで食べられるようになる
- ごっこ遊びなど、友達と遊ぶことが増えてくる
【高月齢:2歳6ヶ月~2歳11ヶ月】
- 衣服の裏返しを直そうとする姿が見られる
- タイミングが合うとトイレで排泄できることもある
【共通】
- 卓上遊びで長い時間座って遊べるようになってくる
- ルールのある遊びを楽しめるようになる
ねらい:低月齢、高月齢
【低月齢】
- 自分で着替えが出来るようになる
- フォークやスプーンを正しく持ち、正しい姿勢を意識して食事をとる
- 友達と遊ぶ中で自分の気持ちを言葉で伝える
【高月齢】
- 着替えや身支度が自分で出来るようになる
- 尿意を感じたら、自ら進んでトイレに行く
【共通】
- 2歳児クラスの玩具で遊ぶ
- 2歳児と散歩に行くなど交流を深め、進級に向けて新しい環境に慣れていく
環境構成と保育者の配慮:低月齢・高月齢
【低月齢】
- 子ども自身で着脱が出来たらその姿を褒め、自信に繋げる
- 出来そうな子には衣服の畳み方を伝え、出来ることを増やしていく
- フォークやスプーンの持ち方が途中で変わってしまった時は正しい持ち方を伝えるようにする
- 姿勢も意識できるように「背中を伸ばして食べると沢山食べられるよ」など、前向きな言葉をかけるようにする
- 子ども同士のやりとりを見守り、必要な時は保育士が言葉を代弁して、気持ちが伝えられるようにする
【高月齢】
- 衣服の裏返しや、着替えた服をしまう時に乱れていたら声をかけ、子ども自身できれいに出来るように見守っていく
- 必要な時は援助をし、できたことを認める
- それぞれの子どものペースを見守りながら、トイレトレーニングを進めていく
- トイレで排泄が出来た時は、出来たことを褒め、自信が持てるようにする
【共通】
- 進級に期待が持てるように、2歳児クラスの玩具で遊ぶ機会を作る
- 2歳児クラスで過ごす時間を作るなど、新しい環境に慣れる機会を増やす
1歳児の個人記録【1月2月3月】は例文を参考に書くのもおすすめ
1歳児の個人記録の例文を、1月、2月、3月とまとめて来ました。
1歳児は発達の個人差が大きいため、特に言葉の選び方に悩むと思います。
そんな時には、こちらの2点を意識して個人記録を書きましょう。
- 日々の子どもの姿をメモしておく
- 「健康・人間関係・環境・言葉・表現」 5領域を意識する
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