児童表とは、保育園に在籍している子ども1人ひとりの家族情報や健康状態、子どもの成長過程や園での様子を記録する書類のことを指します。
その中の項目である「保育経過記録」は、子どもの園生活の様子などを担任が記録します。
そのため、子どもの姿を日々観察し記録をしなければなりません。
「書き方がよくわからない…」
「どのようなことを書いたらいいのか悩んでしまう」
そんな悩みを抱えてはいませんか?
子どもの姿がきちんと伝わるように文章を書かなければならないと思うと、難しく考えてしまい、記録に時間がかかってしまうと思います。
そこで、児童票を書く頻度やポイント、記入例や例文を解説して行きます。
学年を絞り、『5歳児』の児童表で活用できる内容をお伝えします。
児童票を書く際は何で書くべき?
児童表を書く際は「黒色のボールペン」で記入しましょう。
ボールペンの種類によっては摩擦で文字を消すことが出来るタイプもありますが、おすすめしません。
また、黒色以外のペンや鉛筆・シャープペンシルも控えましょう。
鉛筆やシャープペンシルは修正の判別がしにくいため、基本的に使用しません。
もし間違えて記入をしてしまった場合は、訂正する箇所を「二重線」で抹消し、「訂正印」を押してください。
児童票を書く頻度は?
園によって様々ですが、基本的には【毎月】、もしくは【季節ごと】【学期ごと】になります。
児童表は、子ども1人ひとりの成長過程や園での様子を記入するため、担当している子どもの人数が多いと記入するのも大変だと思います。
記入する際に、子どもの様子が思い出せずに記入できないと大変です。
日々子どもの様子をメモに記録をおこなったり、観察計画を立て、子ども全員に目が向けられるようにするなど、日々の保育で工夫することも大切です。
【5歳児】児童票の効率的な書き方のポイント
5歳児の児童票の効率的な書き方のポイントを7つ挙げてみました。
日常的にメモをとる
日々の保育で子どもの様子を見て頭の中で覚えておくだけでは、記入する際に「どんな様子だったか思い出せない…」と忘れてしまい、記入ができないということになりかねません。
印象に残った出来事や子どもが自分でできたことなど、日常の一コマを記録しておきましょう。
記録しておくことで、児童表に記入する際に過去にあった子どもの姿を具体的に思い出すことができ、記入しやすくなると思います。
メモを取ることを習慣化するために午睡中や休憩時間など、メモをする時間を日常的に確保しておくと良いでしょう。
人数が多く、休憩中などには書ききれなかったため、通勤時間を利用してスマートフォンのメモ機能に箇条書きで書き込んでいました。
また1度に30人の記録は難しいので、1週間ごとに観察する子ども達を変えてメモをとるようにしていました。
先輩の書き方を参考にする
児童表の書き方は、園によって様々です。
そのため自己流で書くのではなく、まずは先輩保育士の書き方を参考にしましょう。
- 箇条書きで書いても大丈夫か
- 文章の量はどれぐらい書く必要があるのか
- 文末は「ですます調」か?「である調」か?
- どのような視点で子どもの姿を書いているのか
このようなのポイントを参考にしてみると良いですね。
誤字脱字を防ぐために下書きをする
児童表に直接記入する前に、まずは下書きをしましょう。
文章を考える際にはパソコンを使ってWordに記録をしたり、スマートフォンのメモ機能を使って打ち込んでおくと良いでしょう。
園によっては、児童表に修正ペンの使用が不可の場合もあります。
仮に間違えてしまった場合は、二重線に訂正印を押さなければなりません。
そうすると、文章が読みづらい印象になってしまいます。
読みづらくならないようにするためにも、文章が出来上がったら【鉛筆】で児童表に下書きをおこないましょう!
清書した後に消しゴムで下書きを消す手間はあります。
しかし、間違えてしまって読みづらくなってしまうよりは良いです。
5領域に沿って記入をする
保育所保育指針に記載されている5領域を意識して記入するのも、書きやすくなる方法のひとつになります。
5領域とは【健康・人間関係・環境・言葉・表現】のことを指します。
保育所保育指針には、年齢ごとの発達過程なども記載されているので、その内容と子どもの発達を照らし合わせて文章を考えても良いと思います。
マイナスな書き方になっていないか確認する
「製作が苦手」「好き嫌いが多い」など、子どもの様子で否定的な書き方をしてしまうと、次年度の引継ぎで読んだ際に『先入観』を与えてしまいます。
また、保護者が希望した場合には、保護者も児童表を閲覧することが出来ます。
例えば「製作が苦手」な場合。
こんな風に書くと良いでしょう。
『製作活動の際に、本児がやりたくないと発言することがあった。保育者が「製作の何がしたくないのか」を尋ねてみると「はさみを上手く使えないからやりたくない」と答えた。そのため、はさみを使う際は保育者がそばで見守り、はさみを使った工程をおこなった。すると説明した通りに切ることができ、本人も喜んでいた。』
最初は事実を記入しましたが、その後に『どのように解決しようとしたのか』書いたことにより、文章の終わりが前向きな内容になっています。
前向きな文章で終わりにすることで、子どもに対してマイナスなイメージをつきにくくします。
「他児に手を出してしまう」など、否定的な内容を次年度の担当に伝えておきたい場合は、「時には自分の気持ちを言葉で伝えられず、手が出てしまうこともあった」など、なるべく柔らかい表現を使って書くようにしましょう。
具体的な例を記入する
『マイナスな書き方になっていないか』の例文と重なってしまうのですが、ただ「製作が好き」「歌が好き」などでは、内容がざっくりしています。
そのため、他の職員が読んでもイメージがわきにくく分かりづらいと思います。
具体的なエピソードも一緒に文章の中に取り入れましょう。
例えば「製作が好き」な場合。
こんな風に書くと良いですね。
『本児は製作活動を好み、特に折り紙を使って様々なものを折ることができる。今学期には様々な種類の紙飛行機を折って、遊んでいた。その姿をみた子ども達が本児に紙飛行機の折り方を尋ね、一緒に折りながら教えてあげる姿が見られた。』
事実だけを記入するのではなく、具体的なエピソードを加えることで、本児の様子がイメージしやすくなると思います。
注意点としては、児童表の「保育経過記録」は子どもの成長を記録する項目ということです。
事実や具体的なエピソードの中に、保育者の推測や解釈はいれないように気を付けましょう。
【5歳児】児童票の記入例、例文
では『5領域』に沿って例文を書いてみます。
【健康】
・縄跳びが得意で「二重とび」が飛べるようになった。なわとび大会では、前回りで学年で1位を獲った。なわとび大会まで毎日戸外遊びで練習をする姿が見られた。
・進級当初は、食べ物の好き嫌いが多く、苦手なおかずは食べようとしなかった。年長クラスでトマトやほうれん草の栽培をおこない、野菜を育てる経験をした。そのことがきっかけで苦手なおかずも1口は必ず挑戦するようになった。
【人間関係】
・異年齢で活動をおこなった時に、3歳児の女児が不安から泣き出してしまうことがあった。すると、保育者が声を掛けようとする前に、本児が女児の傍に行き「大丈夫?」と優しく声を掛けることがあった。本児には妹がいるため、自分よりも年齢が小さい児に対してお世話しようとする優しい一面が見られる。
【環境】
・散歩がきっかけで道路標識に興味をもつようになり、家庭で道路標識の勉強をしている。様々な道路標識を覚えたことで散歩中に他児に教える姿が見られる。
【言葉】
・年長クラスでお泊り保育の内容を話し合いした時に、言葉だけではなく、本児がノートにまとめることになった。話し合いが進んでいくと少し記入に時間がかかり大変そうでしたが、最後まで記入しまとめることができた。
【表現】
・製作活動を好み、自由に遊ぶ時間にも自ら準備をおこない、製作に取り組む。作品が完成すると、自分の言葉で作品の説明をし、紹介をおこなう。
5歳児の児童表は7ポイントを意識する
5歳児の児童表は何を使って記入をするのか。
記入する頻度やポイントや、5歳児の児童表に記入できる記入例、例文を解説しました。
児童表は【黒のボールペン】が基本的です。
記入する頻度は園によって様々ですが【月ごと】【季節ごと】【学期ごと】のいずれかです。
書き方のポイントとしては全部で7つあります。
- 日常的にメモをとる
- 先輩の書き方を参考にする
- 誤字脱字を防ぐために下書きをする
- 5領域に沿って記録をする
- マイナスな書き方になっていないか
- 具体的な例を記入する
この7つのポイントはぜひ抑えておきましょう!
児童表は、個人情報だけでなく子どもの発達や園での様子も記載される大切な書類です。
次年度の引継ぎで使用されるだけでなく、保育の向上にも参考になる書類になります。
5歳児の子ども達が『小学校』という新たな場所に、これから6年間通います。
小学校教員に託す意味も込めて、引継ぎで困らないように5歳児の児童票は丁寧に書くと良いです。
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